名もない花が咲いています。
小さな体をさらに小さくして、 うつむいて泣いています。
太陽は、優しい声でいいます。 どうして泣いているの?
ワタシに誰も気づかない。
ワタシを誰も褒めてくれない。
ワタシには、あの花のような華やかさもない。
ワタシには、あの花のような特別な色もない。
ワタシには、名前もない。
太陽は、さっきよりも、さらに優しい声でいいます。
君は、とても美しいよ。
名もない花は驚いて、太陽を見ました。
久しぶりに上を向いたので、
まぶしくて、またうつむいてしまいました。
太陽は、優しい声でいいます。
いいかい?
僕からは、
たくさんの花が見えるけど、
君にしかない美しさがあるんだよ。
悲しくなったら、
僕の声だと思って言ってみてほしい。
ワタシは美しい。って。
ほら、言ってごらん。
太陽の声は、ふわふわで暖かい毛布のように、
そっと名もない花をつつみます。
名もない花は、いいました。
ワタシは、美しい。
ワタシは、美しい。
名もない花は、
自分がとても美しい気がしてきました。
名もない花は、
小さな花びらを広げ、
真っ直ぐに背を伸ばし、
太陽さん、ありがとう、
と笑顔でいいました。
その姿は、とても大きく、
キラキラと輝いて見えました。
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